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2007年4月15日 (日)

「逢いたくて(2002)」〜恋に恋する物語

「めぐり逢い」の記事で少し触れましたが、今日は「逢いたくて(2002)」について書きます。同じ邦題の作品があるので制作年の2002を加えています。原題は"Au Plus Pr峻 du Paradis(天国に一番近い場所)"。「めぐり逢い(1957)」の中でデボラ・カーが、待ち合わせの場所エンパイアステートビルの最上階を、「天国に一番近いところ」と呼んだことから来ていると思います。作品中でも3度位「めぐり逢い(1957)」が実写されます。ストーリーは以下です。

中年女性のファネット(カトリーヌ・ドヌーヴ)は、めぐり逢い(1957)を観て涙する、子供も成人したバツイチの美術編集者。学生時代の同窓生の フィリップが忘れられない。同じく同窓生のベルナールが言い寄ってくるがこちらの方ははねつける。そんなある日、フィリップから、ニューヨークのエンパイ アステートビルの最上階で逢おうと手紙が来る。彼女は仕事でニューヨークに行き、そこで写真家のマット(ウィリアム・ハート)と出会う。マットもファネッ トを誘うが、彼女はフィリップと待ち合わせたエンパイアステートビルの最上階へと向かう。ところが、エレベーターの前でベルナールを見つけた彼女は、再会 を断念し外で待つマットの元へ向かう。

こんなストーリーの作品です。ファネットの気持ちの揺れが丁寧に描かれていて、私の勝手な考えでは、ファネットは、昔の恋に恋してる。最後にエレ ベーターに乗らずに、マットの方に行ったのは、「昔の恋」を断念しマットを選んだのではなくて「昔の恋に恋し続ける」ことを選んだではないででょうか。 逢っちゃえば・・・現実になってしまえば、夢がなくなる。大人の雰囲気が漂う中にファネットの乙女心がチラチラ垣間見え、女はいつまでたっても乙女なのよ ということをアピールする作品だと思います。

もう一つの視点は作中マットが歌う歌。もし愛が得られなければ身近な人を愛そうという歌です。これって「旅情(1995)」のなかでロッサノ・ブ ラッツィがキャサリン・ヘップバーンに「ステーキがないなら、ピザで我慢しろ」って言った言葉に似てますねえ。上等なステーキのような恋は永遠に眺めるだ け、ピザでお腹をふくらまそうということかしら?個人的には、わたしはピザの方が好きなんだけど。日本人だったら、美しく盛りつけられた懐石料理は見るだ けでにしておいて、肉じゃがでもたべてお腹ふくらませましょう・・・みたいな感じかなあ。話が脱線してしまいました。ドヌーヴは「シェルブールの雨傘」の 可憐な姿からは想像も出来ないような貫禄ぶりです(でも未だに美人ですよぉ〜)。その貫禄ぶりで、揺れる乙女心を表現しているところがなんともいえず楽し い作品でした。

今回は泣けるような作品ではないのですが、「めぐり逢い」にからめた作品の紹介でした。

最後までお読み下さってありがとうございます。

 

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