「愛のエチュード」〜風変わりな天才には母性で尽くしましょう
風変わりなチェスの天才ルージン(ジョン・タトゥーロ)と、亡命ロシア貴族の娘ナターリア(エミリー・ワトソン)の愛の物語を描いた2000年製作の作品です。ストーリーは1929年、イタリアの高級リゾート地コモ湖畔に、天才チェスプレイヤー、ルージンが世界チェス選手権の試合に現われたところから始まります。
ストーリーは「goo映画」をお読み下さい。
さて、いかがでしたか?ジョン・タトゥーロは、変人で奇人でチェス以外のことでは、生活能力のないぼんやりしたルージンをストレートに演じきっています。エミリー・ワトソンは「ライフ・イズ・コメディ!ピーター・セラーズの愛し方」でしか見たことがないのですが、そちらと共通しいる役の特徴は、天才奇人男性に母性で接していること(わたしにはそう見えました)。そういう解釈で良ければ、こちらも母性で尽くす役を見事に演じています。
女性なら、一度はこういう常識を飛び越えた天才さんに尽くしてみたい気持ちはありますよね。そのような気持ちをこの作品が満たしてくれました。そしてラストには涙ウルウルでした。よぉ〜し、尽くしきったぞ。みたいな感激でした。不可解なのは、ルージンの方はともかくとして、ナターリアがあそこまでルージンを好きになってゆく心の過程があまりうまく描かれていなかったこと。もともとナターリアはああいう男性が好きだったのかな。ナターリアもちょっと変人?そう考えると、「愛しのローズマリー」の記事でも触れましたが、藪下秀樹さんの「いいじゃないの幸せならば」という言葉を思い出します。それならそれでいいかと納得します。
欠点と言えば、大人のルージンはほんとに変わっているのだけれど、子供のころは普通というか賢そうで、そのギャップが不自然だったこと。そしてヴァレンチノフが、なんであそこまでルージンの邪魔をするのかの合理的な説明がなかったこと。ナターリアの口から嫉妬でしょう、というような言葉が出るけど、それだけでは説明がつかないと思います。この様な欠点(主にスタッフ側の欠点)はあるけれど、タトゥーロとワトソンの息もピッタリで、とにかくロケ地の風景が美しく、そして感動できる作品でした。
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愛のエチュード
販売元:アミューズソフトエンタテインメント |
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