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2007年4月11日 (水)

「心の旅路」〜女の情念は恐ろしいかも

今回も白黒映画の話です。「心の旅路」、1942年の古いアメリカ映画です。マービン・ルロイ監督、ロナルド・コールマン、グリア・ガースン主演のhappy endのメロドラマです。マービン・ルロイ監督は「哀愁」というロバート・テーラー、ヴィヴィアン・リー主演の有名な悲恋映画も撮っています。グリア・ガースンは「チップス先生さようなら」「キュリー夫人」などに出演していて、ウィリアム・ワイラー監督の「ミニヴァー夫人」ではアカデミー主演女優賞を受けています。知性的な美人ですが、デビュー年齢が遅かったせいか出演作品は多くありません。以下ストーリーです。ネタバレになります。

さて、この映画「心の旅路は」第一次大戦後のイギリスが舞台です。ロナルド・コールマン扮する軍人は戦争で記憶を失い郊外の病院に入院していて、ス ミスと呼ばれている。戦勝祝いの夜、病院を抜け出しメイブリッジの街でレビューダンサーのポーラ(グリア・ガースン)と知り合う。二人は恋に落ち結婚し、 郊外の家に住み子供もできるが、スミスの記憶は依然として戻らない。文才のあるスミスは新聞社に請われリヴァプールへ行くが、そこで軽い交通事故に遭って しまう。その事故の後、スミスは記憶を取り戻す。それと引き替えに、記憶喪失の間の出来事を全て忘れ去ってしまう。もちろん愛するポーラのことも。

スミスの実名はチャールズ・レニエ。実業家の子息であり、父の死後その会社を引き継ぐ。数年が経ち忙しく働くレニエのもとには有能な秘書マーガレッ トがいた。マーガレットは実はポーラなのだ。ポーラはスミスが行方不明なった後、子供を亡くしていた。タイプを習い秘書としてレニエに雇われたのだった。 レニエ(スミス)は実業界から国会議員へと転出する。そして、有能なマーガレット(ポーラ)に仕事のパートナーとしての妻になってくれと結婚を申し込む。 マーガレットはこれを複雑な気持ちで受け、二人は結婚する。心の奥底に愛するポーラがいるスミスはマーガレットを心からは愛せない。事故の時ポケットに あった鍵、あのポーラと一緒に住んだ家の鍵を見つめて懐かしい気分になるが一体どこの鍵か分からない。

こんなレニエに絶望したポーラは一人南米への旅に赴く。その途中でかつてスミスと住んだ街に宿泊する。一方レニエは、自分の会社の工場のストを収め るためにメイブリッジの街に向かう。初めての街のはずなのに以前から知っていたような気持ちになるレニエは次第に記憶を取り戻し始める。そして、かつて ポーラと住んだ家に足が向かう。そして家の前に立ち、いつもポケットに持ち歩いている例の鍵をドアの鍵穴に差し込む。そのとき後ろからポーラが声をかけ る。「スミシー、オー、スミシー」この言葉にレニエは記憶を完全に取り戻す。そして二人は抱き合う。

どうですか。ストーリーを思い出しながらまた泣けてきてしまいました。この作品って素直にhappy endの恋愛映画として好きなのですが、でもでも、見ようによったら恐ろしいですよねえ。ポーラは一切スミスには過去のことを語らない。じっと、スミスが 思い出すのを待っている。こんなことが実際あるかどうかはともかくとして、執念というか情念というか、こういう気持ちは多かれ少なかれ女にはあるものです よ。これを読んでいる男性の方。今、奥さんと倦怠期ではないですか。でも、失われたあなたの過去の記憶の中では、奥さんはかけがえのない愛する人だったん ですよ。何か気にかかる物、あなたの身近にありませんか?スミスが持っていた鍵のような物が。

それでは機会があったらこの映画楽しんでくださいね、最後まで読んで下さってありがとうございます。

 

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発売日:2006/12/14
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いったん駆け落ちを仕組むモンティが、相続も何も投げ打って今すぐにと、倍して積極的となるオリヴィアに心胆寒々と退いていく若き野心の挫折――しばらく見ていなかったような新鮮な心理劇の展開に、またまた舌を巻く想いで見入った。ワイラーまた恐るべし。 [続きを読む]

受信: 2007年4月27日 (金) 07時55分

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