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2007年4月21日 (土)

「愛しのローズマリー」〜心と姿・あなたの選択は?

温かい涙がじんわりとあふれてくる、2001年製作の佳作です。勝ち気で気丈な女性を演じたら超一流のグウィネス・パルトロウが(以前に書いた、「ダイヤルM」なんかそうですよね)、自信のないおどおどした女性の心の揺れを好演しています。この演技は「スライディング・ドア(1997)」でも見せていますね。以下がそのストーリーです。

投資会社に勤めるハル(ジャック・ブラック)は、幼い頃に亡くなった父親の遺言が原因で、外見でしか女性を判断できない。夜ごと、親友のマウリシオ とナンパに出かける毎日だ。ある日会社のビルのエレベーターに、精神心理学者のロビンスと閉じこめられる。外見でしか女性を判断しないハルの話を聞いたロ ビンスは、ハルに催眠術をかける。それ以後ハルは、心の美しい人は美しい姿に見え、心の醜い人は醜い姿に見えるようになる。ある日ハルは、美人でスタイル 抜群のローズマリー(グウィネス・パルトロウ)と出会い恋におちる。ローズマリーは、彼女が腰掛ける椅子を片っ端から壊してしまうぐらい肥満しているのだ が、病院のボランティアをして平和部隊の活動をしている心の美しい女性だった。ローズマリーは戸惑いながらも、顔にひどい火傷を負った子供を平気で抱きし めおどけてみせるハルの明るさにひかれてゆく。急に女性に対する嗜好が変わったハルを心配するマウリシオは、ロビンスに会い催眠術を解く言葉を聞き出す。 その言葉を電話で聞いた瞬間からハルは元に戻ってしまう。ローズマリーを見ても、それがローズマリーだとは気づかない。傷つくローズマリー。催眠術のこと をマウリシオに聞いて悩むハル。しかしついにハルは、ローズマリーを心から愛していることに気づき、傷心のなか平和部隊の活動へと旅立つローズマリーの元 へ求婚しに向かうのだった。

父親の遺言の話からハルのナンパ三昧の行動までの最初の20分間はとっても退屈。でも、ローズマリーが現れて仕掛けが見えてきてからは、最後のオチ がどうなるんだろうという興味で目が離せません。ローズマリーの心の動きを本当に丁寧にパルトロウが演じています。唯一の欠点は、ハルが太ったローズマ リーを受け入れてゆく心の動きの過程が十分には表現されてなかったことかなあ。この点は、見る人が自分の心の中で形作る必要があります。

コメディとしても十分楽しめるのですが、この作品は女性の外見の美醜を主題に据えながらも、人間全体にまで対象を広げようとしていると思います(少 なくとも私にはそう感じました)。今では、minority = abonormalと言う人は誰もいません。でも、まだ多くの人の心の中にはそういう気分が残っていると思います。私にだって無いとは言えない。見終わっ た後、 majority = normalという根深い社会通念が、本当に人間の心から消え去ってしまえばいいのになあと思いました。こういう重いテーマを、ラブコメにのせて表現でき る社会環境にも感心しました。軽いラブコメを見たいなあと思って借りてきたDVDが、とんでもなく感動を与えてくれる作品でした。

余談です。学生時代に見ていた3分間のアマチュア映像作品を流す深夜テレビ「えびぞり巨匠天国(1991)」で、藪下秀樹さんが金監督になった作 品。「春のめざめ」を思い出しました。一風変わった男女が最後は仲良く手をつないで歩いていく。そして、「いいじゃないの幸せならば」というテロップが流 れる。なんだか「春のめざめ」に似ている作品でした。

 

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