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2007年5月13日 (日)

「王子と踊り子(踊子)」〜マリリンとヴィヴィアンが同じ役を演じる不思議

ここに書くマリリン・モンローの作品のレビューは、この作品だけになるかもしれません。心温まる、最後にほろっとする作品は、マリリン主演作ではこれだけじゃあないかなあと思います。もちろん、マリリン主演作品の中では、わたしの一番のお気に入りです。ただ、FOXの作品ではないせいか、世間一般の知名度は低いです。また、ローレンス・オリヴィエ監督のイギリス風のウィットとアイロニーのせいで比較的地味な仕上がりになっているせいか、あまり良い評価は見あたりません。

さてこの作品、オリジナルはテレンス・ラティガンがローレンス・オリヴィエ、ヴィヴィアン・リー夫妻のために書いた戯曲(The Sleeping Prince:眠りの森の王子)。テレンス・ラティガン自身が駄作を書いてしまったと夫妻に詫びるも、公演はロングランとなり大成功したらしいです。映画化に際してヴィヴィアン・リーの役をマリリン・モンローが演じます。ヴィヴィアン・リーとマリリン・モンローのように対照的な女優さんが、同じ主演男優で同じ役をやるなんて不思議ですねえ。かなわぬこととはいえ、ヴィヴィアン・リーの舞台を見てみたかったです。

作品の舞台は1911年ジョージ5世の戴冠式。バルカンの狐と称されるカルパチアの摂政(大公)とショーガールの2夜の恋の物語。ストーリーを読む前に簡単に歴史のお勉強。蛇足だったらゴメンなさい。でも、この1911年というのがこの作品の切なさを楽しむ上で大切な年代になるんです。ジョージ5世の治世はヨーロッパにとって大変な時代でした。1912年10月からは第一次バルカン戦争、翌1913年からは第二次バルカン戦争。1914年から1918年まで第一次世界大戦。1917年にはロシアの2月革命。ジョージ5世はロシア皇帝ニコライ2世の従弟ドイツ皇帝ヴィルヘルム2世は従兄ということですから、大変な時代ににイギリス国王になった大変な血筋のお方です。

このことをふまえていただいてストーリーはいつものように「goo映画」さんで・・・

さてさて、いかがでしたか。私はこの映画で演じたエルシー・マリーナこそ、マリリンの特長が十分生かされた役柄だと思っています。作品の中で、大公がエルシーのことを「小児を思わせるかと思うと、ボクサーのような筋肉を持ち、人生の機微を心得ておる」と評するシーンがありますが、こういう役を演じたときのマリリンは最高です。「紳士は金髪がお好き」のローレライ役がこんな感じかなあ。先に書いたように、二人の別れの後、ヨーロッパはバルカン戦争を経て第1次世界大戦に突入します。この時代背景を考えれば、「18ヶ月経てば劇団との契約も切れるわ」「18ヶ月の間には何が起こるかわからない」というふたりのやりとりの別れのシーンにもリアリティーを感じてしまいます。マリリンの可愛さと別れの切なさに涙するわたしでした。

さて(さてが多いかなあ)ホントに蛇足になりますが、作品中エルシーと大公の間を行ったり来たりする、別れの記念のブローチ。小物が行ったり来たるするのは、「哀愁」のお守りと同じですねえ。「哀愁」もやっぱりイギリスが舞台。こいうのってどこかイギリス的なんでしょうかねえ。あと、作品中、マリリンは真っ白な一着のドレスだけで通します。これも珍しいかなあ。そして、マリリンの表情がとっても愛らしい、可愛らしいんですよ。ということで、みなさん最後まで読んでいただいてありがとうございます。機会があったら是非是非ご鑑賞下さい。

 

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