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2007年7月2日

2007年7月 2日 (月)

「抱擁」〜英国詩人・時を超えた愛の二重奏

お気に入りの作品です。地味だけどとっても質の高い珠玉の作品です。歴史謎解き物語ということになるんでしょうけど、ちょとタイムスリップ作品のような雰囲気もあります。

ビクトリア朝の桂冠詩人、ランドルフ・アッシュ(ジェレミー・ノーザム)の研究者であるブラックアダー教授の助手のローランド(アーロン・エッカート)は、ロンドン博物館でアッシュの蔵書に挟まれた手書きの恋文を見つける。妻以外の女性と交渉がなかったとされるアッシュが、他の女性と恋におちていたことを証明すれば世紀の大発見だ。ローランドは、アッシュの手紙の相手は当時の女流詩人のクリスタベル・ラモット(ジェニファー・エール)ではないかと推測する。ローランドは、ラモットの研究者であるモード・ベイリー博士(グウィネス・パルトロウ)を訪ね意見を求める。最初は半信半疑のモードも、少しづつ証拠が積み重なるにつれ、ローランドの説に傾倒してゆく。そして、過去の詩人達の恋に重なるように、ローランドとモードも恋におちてゆく。

ああ、今回は自分であらすじ書いちゃいましたね。でも、まあ、いつものように「goo映画さんのあらすじ」です。

グウィネス・パルトロウはこの作品のようなちょっと冷たいインテリ女性を演じたらピッタシですね。物語は、現在の二人の研究者が過去の二人の足跡を訪ねるので、同じ場所で時代が交錯するように進行してゆきます。このあたりの移り変わりが驚くほど自然でしかもわかりやすく描かれています。そして2つの恋が絡み合いながら進行してゆくストーリー展開は見事です。前回も書きましたが、A.S.バイアットの原作(翻訳は絶版です)は超大作です。しかも過去の二人の詩人の手紙のやりとりを再現しているので、それ自身芸術作品に仕上がっています。その大作の中からストーリーを上手に抜き出して、その雰囲気を壊さず100分程度(実は私の一番好きな長さ)の上品な作品にまとめ上げられています。

最後にちょっとしたエピソードがあります。それがあるために、作品の仕上がりが甘くなっていると考える方もいらっしゃるでしょう。わたしは、そのエピソードのせいで心温まる作品に仕上がっていると思います。どういうラストかここには書きません。どうぞ作品をご覧になって楽しんで下さいね。*1)

*1)2007年8月3日追加:原作にもこの場面が「補遺」として最後に7ページほど付け加わっています。ほとんど映画と同じですが、日本語訳で読む限り、文章より映像の方が見事に叙情をあらわしています。

 


 

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